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神戸とスイーツ

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〜神戸とスイーツ〜

 ショックでした…。涙が出そうなくらいショックでした。
私にとってチョコレート屋さんといえば「コスモポリタン」だったんです。そのコスモポリタンが2006年8月廃業しました…。 それから数ヶ月が経ちますが、その一角にはまだ足を踏み入れていません。閉店したコスモポリタンを見る勇気はまだありません。

 子供の頃から高級なチョコレート屋さんとしてコスモポリンタンは憧れの場所でした。
絵本で見るようなガラスケースの中に並べられたチョコレートはまるで宝物のようで、キラキラと輝いて見えました。

 そしてキャンディーは美しい異国的な絵が描かれた缶にそれこそ宝石のように詰め込まれていました。もちろんそうそう買ってもらえるようなものではなく、大人たちが何かのイベントで手に入れたそれを私たち子供に下げ渡してくれていたのです。その缶自体が宝物でした。

 大人になって、海外旅行も重ねて、コスモポリタンのような形式のお店も珍しくはなくなってきて、コンビニで買えるチョコレートもとても美味しくなっている最近でも、時々はコスモポリタンのチョコレートを舌でゆっくりと転がすのが最高の贅沢だったんです。確かに日本人好みのチョコレートの味ではなかったかもしれません。私は古い欧米の家のレースのかかった家具のようなイメージをコスモポリタンのチョコレートの味になぞらえていました。それがまたノスタルジックな異国情緒を感じさせ、他のチョコレートとは一線をひいていたのに本当に残念です。

 コスモポリタンの創業者はロシア人のF・モロゾフです。ロシア革命のため一旦アメリカに渡り、チョコレート作りを学び来日し、大正15年(1926年)、神戸のトアロードに「モロゾフ洋菓子店」を開きます。その後、日本人の共同経営者と訴訟沙汰になってしまいました。敗れたモロゾフ家側は「モロゾフ」の名前を使えなくなり、その後コスモポリタン製菓を設立したそうです。日本にチョコレートを普及したモロゾフさん、チョコ好きの私にとってはとてつもない偉人ですね。

 そしてそのモロゾフも子供の頃から親しんできたスイーツ屋さんです。美味しいチーズケーキはたくさんありますけど、やっぱり私はモロゾフのチーズケーキが一番大好き!
ワンホールくらい平気で食べられます。そういえば実家にはまだモロゾフの陶器のプリンカップがおいてあったなあ。多分神戸付近のたいてい家庭にはそのカップのひとつやふたつはおいてあると思います。使っているかどうかは別にして…。

 そういえば風月堂のゴーフルといい、ゴンチャロフのチョコレートといい、ユーハイムのバームクーヘンといい、子供の頃の「ちょっといい思い出」のなかには必ず神戸の老舗のスイーツが絡んでいるような気がしてきました。他の土地がどうかはわからないけど、やっぱりスイーツのメッカ「神戸」ならではなのでしょうかねえ。

 今はあの頃とは比べ物にならないほどたくさんのスイーツ屋さんがあります。私は大人になってからは酒党なのであまりスイーツの味に敏感ではありません。





でも、他県の友人の家に遊びに行ったときのこと、「すごく美味しいケーキ屋に連れていってあげる」と連れて行かれたケーキ屋さん、確かに小洒落た店構えで、ケーキの種類も多くどれも美味しそうで、事実美味しかったです。

 でも!!「この程度の店なら神戸にはどこにでもあるぞ」というのが正直な気持ちでした。その友人の土地のみならず、いくつかの街で同じようなことがありました。神戸の友達とその話をすると必ず「神戸に住んでいると知らず知らず求めるケーキのレベルがあがるんちゃうか」と結論つけてしまうんです。

 他県のスイーツ好きの方、ごめんなさい。でも事実はともかく実感としてそう思ってしまうんです。自分自身がスイーツに敏感じゃなくても、友達からの情報は自然に耳にはいってくるし、街を歩けば新しいケーキ屋さんがいたるところに出来ています。それにともなって色々な店のケーキを食べ比べる機会も多くなりますしね。

だからやっぱり「スイーツは神戸が一番」って思ってしまうんです。






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