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神戸と文学

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〜神戸と文学〜

 神戸にゆかりの文学者は昔からたくさんいて、神戸を舞台にした文学も多く書かれています。
私の本棚にあるものを思いつくままに紹介していきますね。

まずは宮本輝さんの「花の降る午後」。
これは大人の女性の幸福(かな?)なストーリーで、私は若い頃この小説の主人公にとっても憧れました。愛する夫を病気で亡くした典子は神戸北野町にあるフランス料理店「アヴィニョン」を必死で守って4年、夫が典子に残していった絵の作家と恋に落ちたり、レストランを奪おうとする夫婦の策謀と闘ったり、色々な出来事が、エキゾチックな北野付近を情緒的な文章で描かれながら展開していきます。
北野を散策するときはいつも「アヴィニョン」はこんなお店だったのかなあと想像しながら楽しんでいます。これに出てくる食前酒の「さくらんぼ酒」どんな味なんだろう…。梅酒やかりん酒は漬けたことあるけど、さくらんぼはないなあ。

お次は、大文学者、谷垣潤一郎さん。東灘に住居を構え、不朽の名文学「細雪」を執筆しました。大阪船場の旧家、蒔岡家(まきおかけ)の四姉妹、鶴子、幸子、雪子、妙子をめぐる物語です。昭和10年代の関西の上流階級のありさまが豪華絢爛に描かれて、当時の神戸の街もところどころに描かれています。
東灘区にある「倚松庵]には谷崎潤一郎は昭和11年11月から18年11月まで住みました。ここで過ごした夫人・松子とその妹たちや娘との出来事を等身大で書いたのが『細雪』と言われています。
日本版、大人の「若草物語」のようで、私はどちらの作品でも三女の雪子とベスのファンです。

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明石に住んでいた稲垣足穂は、大正末から昭和初期にかけての神戸を「星を売る店」「タルホ神戸年代記」で描いています。「星を売る店」のトアロード周辺の幻想的な描写は、目をぎゅっとつぶると瞼の裏にきらきら色がはじける様子を感じさせてくれました。星にこだわった文学者さんだったようです。

そして、涙なしでは読めない野坂昭如さんの「火垂るの墓」。神戸空襲時の兄妹を描いた文学です。アニメの映画にもなっているので知らない人はいないだろうけど、活字で読むのはまた違った感慨がありますよ。ついつい忘れてしまいがちですが、今の世の中の「平和」本当に本当にありがたいです。

まだまだ!ノーベル賞候補だった村上春樹さんのデビュー作、「風の歌を聴け」は神戸港の様子が澄み切った文章で描かれています。村上春樹さんの文章は本当に職人技だと思います。わかりやすいのに雰囲気や情緒が溢れていて…大ファンです。

他にも、三木市出身の玉岡かおるさんの「夢食い魚のブルー・グッドバイ」、田辺聖子さんの「窓を開けますか?」水上勉さんの「櫻守」などなど、神戸を題材にした小説は本当にたくさんあります。このページを書いていると、私も読んでないものや、読んでも忘れてしまっているものとか、もう一度読みたいものとか、いっぱい出てきました。
明日は本棚を漁ってみようかなあ。

日本が誇る世界最古の長編小説「源氏物語」も神戸の須磨・明石を舞台にした章があります。兄の帝のお后候補を横取りして政治的にまずい立場にたった光源氏は流刑を蒙る前に自ら須磨に隠遁します。ここでは須磨の侘しさ、寂しさが強調されています。当時の都からいったらすごい田舎だったんでしょうか。
また、百人一首にも「淡路島 かよふ千鳥のなく声に いく夜寝覚めぬ 須磨の関守」というやさしい歌に詠まれています。なんだか切ないようでホッとする歌ですよね。


この「須磨の関守」とよばれる関所は古代に設けられた関所のひとつで、この歌が詠まれた平安後期にはすでに関も関守もなく、名のみが伝承されていたようです。
場所は諸説ありますが、須磨区関守町の「関守稲荷神社」だとも言われています。







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